
音楽部門はピアノの岩田真由美さんである。東京芸術大学を卒業し、ワルシャワとパリに留学したあと、岩見沢に戻って演奏活動を行っている。高い技術に加えて、音が美しく音色が多彩だという特色があり、それが演奏に幅をもたらしている。同時に併せ持つ、曲の構成を理解して音で表す力と相まって大きな表現力が生まれ、豊かな響きで、取り上げる曲それぞれの魅力を引き出している。
美術部門は彫刻の藤原千也さんである。札幌出身で、大阪芸術大学を卒業後、和歌山での森林組合勤務を経て北海道に戻った。養護学校に勤めながら制作活動を行い、並行して北海道教育大学大学院にも学んだ。2011年から居住する中札内では、元は鉄工所だったアトリエで、巨木を相手に、斧やノミで、ひたすら削り、また彫り―という工程を通して、巨大なエネルギーや荘厳さを感じさせる作品を生み出している。
共に、今後の展開が大いに期待され、道銀芸術文化奨励賞にふさわしい方々であるとして推薦させていただいた。
2022年度 道銀芸術文化奨励賞選考委員長 前川 公美夫
本賞は1991年(平成3年)の当財団設立と同時に制定されました。
これまで一貫して、北海道出身または在住の芸術家の中から、優れた芸術文化活動により将来を嘱望され、北海道の芸術文化の進展に貢献する新鋭芸術家または芸術団体を顕彰してまいりました。
毎年、北海道の芸術文化に精通した有識者による選考委員会にて受賞者を決定し、贈呈式を開催しております。また、受賞者には副賞として奨励金が授与されます。
これまで受賞された皆さまは、受賞後もたゆまぬ研鑽に努められ、今や北海道の芸術界を牽引する存在として、北海道はもとより世界へと躍進し、多くの人々に感動を与え続けています。
【 賞の概要 】
優れた芸術文化活動により将来を嘱望され、北海道の芸術文化の進展に貢献する芸術家または芸術団体に対して本賞を贈呈し、奨励金を授与する。
賞の対象者は、個人は北海道出身者または在住者、団体は北海道に主たる活動の場を有するものとする。
今年度の対象分野は音楽部門・美術部門、各1名。
「道銀芸術文化奨励賞選考規程」より一部抜粋
【 2022年度 選考委員 】(敬称略)
前川 公美夫 | 音楽評論家 |
八木 幸三 | 音楽評論家 |
本堂 知彦 | 北海道教育大学 名誉教授 |
柴 勤 | 小川原脩記念美術館 前館長 |
土岐 美由紀 | 北海道立近代美術館 学芸部 学芸統括官 |
佐藤 康平 | 札幌芸術の森美術館 事業係長 |